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    人がつながる、想いがつながる 茅葺屋根の小さな図書室 ほたる荘

古民家が学生寮に!? (福岡県・糸島市)

  • 2017年08月16日
  • BLOG

【糸島の古民家活用 (その1)】
みなさんこんにちは。かやぶき屋根のちいさな図書室「ほたる荘」の杉川 (幸) です。

お盆も終わり夏休みも終盤に向かいますが、みなさんエンジョイしてますか?
私は例年通り福岡の実家に帰省しましたが、今年は意識的に古い建物を活用している場所を見てきました。

(1) 糸島市・古民家を学生寮にリノベーションするプロジェクト
(2) 糸島市・伊都安蔵里
(3) 田主丸・若竹屋酒造

ひとつ目は大堂 良太さんのプロジェクト。
築146年の古民家がなんと「学生寮」に生まれ変わるんです!!
大堂さんと出会ったのは5年前。その当時から「福岡で学生寮を作る!」と熱く語ってましたが、正に有言実行。

公式HP:
http://yoka-gotsu.co.jp/

関連記事 (東洋経済):
http://toyokeizai.net/articles/-/181132

これは見学&話を伺いに行かない訳にはいかない!
ということで、ほたる荘メンバーの神谷さん (広島大学2年、広島建築系学生団体scale所属) と一緒に訪ねてきました。


(左から、大堂さん、神谷さん、私。奥に見えるのが学生寮に生まれ変わる古民家)

場所は九州大学の移転先でもある糸島市。
人口96774人 (2017年、推定) で市街地 (天神や博多) から電車で40分程度の場所です。
大学の移転先という点も含め、東広島市と共通点が多い様にも思います。


(古民家の裏庭からの風景)

対象物件は築146年のそれはそれは立派な古民家。
あまりにも立派な古民家なのでどんな方が住まれてたのかを尋ねてみたところ、現在の所有者のお父様とお祖父様は村長さんを勤めておられたそう。
そして、福岡の護国神社を建てた宮大工さんが建築されたということで、どこを見てを惚れ惚れする作りです。


(ここで生活すると考えたらワクワクしませんか?)


(ガラス戸ひとつとっても感動レベル)

そんな伝統と歴史が詰まった古民家が、大堂さんの手により「学生寮」に生まれ変わるというのです。
「地域」と「人」のつながりがある学生寮だからこそ、学生がイキイキと自分らしい人生を生きる力が身につくのだと。

最高の学生寮じゃないですか!!
東広島にもつくりたい!
(誰か一緒にやりませんか??笑)

このプロジェクトのもうひとつの魅力は、全てを「合法的に」行なっているというところです。
「いやいや合法的にやるのは当たり前でしょ?」と思われるかもしれませんが、これが大変なんです。
一番は「市街化調整区域」という壁。詳細は省きますが、市街化調整区域で建物を新築・増築および用途変更することは原則として認められません。
高度成長期の無計画な開発を制限するためにできた法律ですが、今となっては古民家あるいは空き家活用の大きな障害となっています。

しかし国土交通省も古民家・空き家の問題を無視しているわけではなく、昨年12月に「市街化調整区域の古民家等を観光振興や移住・定住促進に活用できるよう開発許可制度の運用を弾力化」という方針を打ち出しています。

http://www.mlit.go.jp/report/press/toshi07_hh_000102.html

大堂さんはこの流れを最大限活用し、役場に何度も足を運び、知事にプレゼンをし、用途変更の弾力的運用を認めてもらうことになったそうです。
(福岡県では第一号の事例だとか!!)

これ以外にもたくさんの苦労があったそうです。
例えばトイレ (浄化槽) の必要容量。従来のルール通り敷地面積からだけで計算したら「33人分の浄化槽が必要」になったとか。実際に寮に住むのは最大でも8人なのに、、、。
これも本当に粘り強く交渉を続け、条件付きですが許可が出たそうです。

苦労しながらもなんとか前に進めれたポイントを尋ねたところ、早い段階で地区長を始めとする地域の方々に相談し一緒にプロジェクトを進めて来たことが結果的に良い流れを作ったのではと、話しておられました。
地域での活動はやはり地域の方々と一緒に進めるのが重要ということですね。
先日に行われた「古民家の掃除をする」というイベントには、地域の方を含めてなんと50人もの方がボランティアで参加してくださったそう。
学生寮としての運営は9月からということですが、すでに地域に愛されてます!!

これからの動きが楽しみすぎます!

古民家を見学しながら話を伺ったあとは、古民家・空き家活用や地域活性化、そして学生教育について意見交換。
ほたる荘や寺東のシェアハウス、そして福富の “星降るテラス” など、東広島での古民家・空き家活用の事例を紹介させていただきました。

糸島と東広島で、古民家・空き家活用が持続的な活動なる仕組みを作っていこうと約束し、今回の訪問は終わりました。

さーさー、ほたる荘もたくさんの交流と学びが溢れる場所になるように、負けずに頑張っていこうと思います。

(長くなったので残り2つの古民家訪問はまた後日。)