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    人がつながる、想いがつながる 茅葺屋根の小さな図書室 ほたる荘

[レポート]茅場づくりワークショップ

  • 2017年12月11日
  • BLOG

茅場づくりワークショップ、無事に終えることができました。

ほたる荘としての茅場づくりは、初めてになります。
共催の近畿大学・市川先生らは、保存協会・上田さんらとの活動を含めると過去に複数回の茅場づくりワークショップを開催されておられます。

茅は毎年適切な時期に刈ることで上質な茅に育ちます。なので、数年の活動では本格的な茅場にすることはできず、数十年に渡って茅を育てる覚悟と仕組みが必要になります。しかし、地主さんの都合などもあり、決まった場所での茅場づくりがなかなか実現できていなのが現状とのことでした。

今回は縁あって1ヘクタールほどの休耕田を茅場として使わせていただけることになりました。

東広島の茅葺民家は「ススキ」を茅として使っていますから、茅場というのは、ススキ畑になります。
こうやって見ると、ススキ畑もキレイですよね。

今回のワークショップは、学生46名、一般16名の総勢62名での活動となりました。

一般参加者には親子で参加くださる方や、遠くは宮崎から泊まりがけで参加くださる方まで!!
今回は参加を見送られましたが東京から参加を検討くださった方もおられて、茅葺民家に価値を見出しておられる方が全国におられると、改めて実感しました。

主催の市川先生、保存協会の上田さん、そして私も簡単に自己紹介をさせていただき、ワークショップのスタートです!

まずは茅葺き職人の沖元さんから茅刈りのレクチャー。

学生の半分くらいは過去に茅刈りの経験があり、彼ら彼女らのリードで茅刈りスタート!!
午後は雨予報だったので、午前中が勝負。

<茅刈りの流れ>
(1) まずはひたすらに茅を刈り進めます。なるべく太く背丈の高い茅を中心に。

(2) 刈った茅は随時束ねていきます。今回は千萱や短いススキを使って束ねました。

(3) 束ねた茅を立てかけて、茅塔を組みます。

(中心の3本はなるべく太くて頑丈な束を。)

(バランスよく、茅の束を立てかけていきます。)

(最後は周囲とてっぺんを縄で縛って完成!押してもビクともしません。)

このまましばらく乾燥させます。
本来なら、乾燥後は風通しの良い屋根のある場所に保管するのがいいのですが、今回はこのまま春まで干して、茅葺民家の補修などに使う予定です。

午後から雨が降り予定より1時間ほど短い作業時間となりましたが、12個の茅塔を立てることができました。

1つの茅塔に20束前後の茅が使われていますので、今回の作業で250束程度の茅を刈ったことになります。
一般的な民家の吹き替えには約2000束の茅が必要とのことで、、、全然足りませんね。
こういったイベンタリーな活動に加えて、日頃から茅を集める仕組みづくりが必要だと、改めて感じました。

茅葺き屋根の維持・保全にはたくさんの時間と人手が必要です。とてもひとりでできるものではありません。昔は「結 (ゆい)」という相互扶助の仕組みが地域内に根付いており、家の管理や維持も地域全体の責任だったんですね。この仕組みが徐々になくなり、いつしか「家の管理は個人の責任」となりました。これは茅葺民家にとっては致命的な出来事です。

とにかく、この「結」あるいはそれに代替する仕組みを作らなければ、一般に使われている茅葺民家を維持・保全していくことはできません。
ほたる荘は数年前まで一般民家として使われていた茅葺民家ですが、今は「誰でも使える図書室」として活用しています。少しでも多くの方が茅葺屋根に興味を持ってくれて、「みんなで守っていく」という雰囲気と仕組みを作れたらという想いからです。

今回のワークショップでも学生に加えて一般の方々が参加くださいました。
お米を寄付くださる方やロケットストーブを貸してくださる方、遠くは宮崎からも参加くださいました。

本当に少しずつですが、輪が広がっているように思います。

一度なくなった伝統や文化を取り戻すことは簡単ではありませんが、一歩ずつ、ゆっくりと、みなさんと一緒に新しい形での茅葺き屋根保全の仕組みと文化を作っていけたらと思います。

今後も茅葺屋根をテーマにした色々なイベントや仕組みづくりを行なっていきます。
引き続き、ご協力をいただくと同時に、一緒に楽しんでいただければ幸いです。

<番外編>
私の息子も初茅刈りに挑戦。

こちらも親子で参加中。

こちら、調理班。名物の「鯛めし」に加えて、今回は「牡蠣めし」もありました!!

広々とした自然の中での昼食。これも楽しみのひとつ。

子ども会議中。

※ 最後は雨足が強まり、集合写真は見送りました。